テレビCM等で耳にする“ZEH(ゼッチ)” という言葉。皆さんも一度は聞き覚えがあるかと思います。
環境に配慮した家? 新しい設備のある家? なんとなく、エコな家?
様々なイメージがあると思いますが、今回はこの”ZEH”とは何なのか、皆さんにご紹介したいと思います。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称。
『外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅』
ZEHは国等から補助金を受けることができますが、細かく要件が定められています。
それではその3つのポイントを1つずつ見ていきましょう。
1.ZEHのポイント
①「断熱」 ②「省エネ」 ③「創エネ」
(出典:資源エネルギー庁)
①「断熱」
ZEH認定基準の中の1つに「断熱性能が一定以上の性能が認められること」とあります。
高性能の断熱材や窓ガラス等で、家の外の暑さや寒さを遮り気密性を高めることで、冷暖房に使うエネルギー消費を抑えることができるのです。
例えば、発砲ウレタンフォームという断熱材は壁に直接吹き付けて化学反応をおこし、マシュマロのように壁の内側を覆う”もこもこ”した断熱材です。この”もこもこ”で断熱性・気密性がアップし、家の中の温度を一定に保ってくれます。
その他、二重構造の窓ガラスや遮熱性のあるカーテン等を使うことで窓からの熱や寒さから家の中を守ることもできます。
②「省エネ」
「省エネ設備の利用により基準から2割以上省エネできること」もZEH認定基準の1つです。
少ないエネルギーで効率よく湯沸かしできる給湯システムや、高い省エネ機能のついた空調設備、消費電力の少ないLED照明等を使うことで、より一層エネルギー消費を抑えます。HEMS(ヘムス)の導入によりモニターで省エネを実感、エネルギー管理システムで省エネを促進することができます。
ホームエネルギーマネジメントシステムの略称。
エネルギーを見える化するだけでなく、家電・電気設備を最適に制御するための管理システム。さらに、家電製品や給湯設備をネットワーク化することで、モニターやスマートフォンからエアコンや照明などの電気機器の電源を操作したり、設定温度を変えたりもできる。
③「創エネ」
「再生可能エネルギーシステムを備え、創り出すエネルギーが消費するエネルギーを上回ること」もZEH認定基準の中の1つです。太陽光発電システム等によりエネルギーを創り出し、家電製品等の消費電力として使用します。創り出したエネルギーが消費エネルギーを上回った場合は、電力会社等に売電することもできます。
(出典:資源エネルギー庁)
次に、ZEHのメリットについてご紹介します。
2.ZEHのメリット
①「経済性」 ②「快適・健康性」 ③「災害時の安心性」
①「経済性」
高い断熱性や高性能の省エネ設備の利用により、月々の光熱費を大幅に抑えることができます。余ったエネルギーを売電した場合は収入を得ることができ、蓄電システムを導入していれば余ったエネルギーを蓄電池に蓄えて、発電しない時間帯には蓄電池から電力を供給することでさらに光熱費を抑えることもできます。
②「快適・健康性」
高断熱の家は、外気温の影響を受けにくいため室温を一定に保ちやすいので、夏は涼しく冬はあたたかい快適な住空間を作ることができます。特に冬場は、急激な温度変化によるヒートショックを防ぐ効果もあります。
③「災害時の安心性」
台風や地震など、災害が起きた際の停電時に太陽光発電や蓄電池を活用することで非常時でも安心して生活することができます。大型台風や線状降水帯の多発等、年々大きな自然災害が増えており、太陽光と蓄電池の必要性は高まっています。
3.ZEHの補助金制度
ZEHは優れた面も多くありますが、通常の住宅にプラスして太陽光発電システムや蓄電池等の設備費用が掛かるので、導入コストが高くなってしまう面もあります。
そこで、ZEHには国や市町村による補助金制度がありますので、この補助金制度を見ていきましょう。
薩摩川内市では、ZEHに対する国の補助を受けた方を対象とした補助制度があります。
ZEH申請を国の審査機関に提出後→国の認可→市の補助金受付
という流れになっています。
詳しくはこちらのページでご紹介していますので、ご覧ください。(R3.6月時点)
4.まとめ
使うエネルギーより創るエネルギーが大きい=光熱費がタダなの?と思いがちですが、エネルギー収支がゼロになるという事であり、お金がゼロになるわけではありません。しかし、省エネや創エネ等の組み合わせにより、快適でお財布にもやさしい生活が送れる、地球や未来のためになる住宅に住むことができる、そんな家がZEHなのです。
新築や改築等を検討中のみなさん、快適な住空間の候補のひとつに”ZEH”を検討してみてはいかがでしょうか。