薩摩川内市が地方創生の具体的取組として進める「薩摩國(さつまのくに)竹セルロースナノファイバー(以下CNF)クラスター形成事業」の一環として、自然由来の先端素材として注目される「竹CNF」について、企業等の試行や活用の加速化・具体化に繋げることを目的として、「竹CNF活用実践講座」(主催:経済産業省九州経済産業局、鹿児島県薩摩川内市、熊本県、九州大学大学院バイオマテリアルデザイン研究室/共催:熊本県産業技術振興協会、くまもと有機エレクトロニクス産業促進協議会)を、8/27~28に、熊本県産業技術センターにて開催しました。
本講座は、ACC法(水中カウンターコリジョン法)による竹CNFの開発者である九州大学大学院農学研究院 教授 近藤 哲男氏(本市アドバイザー)を講師とし、実際に竹CNFを用いた実験や評価を含めた貴重なカリキュラムでした。
今回は、九州内外から22社・団体27名の参加がありました。
まず、 基礎知識、実験内容の概要説明です。
近藤教授による竹ACC-CNFの特性の説明を、参加者は熱心に聞いていました。
実習に取り掛かります。
①「スーパーまな板」製作
竹CNFの特徴として、親水性・疎水性の両方の特性を有する両親媒性が挙げられます。
木片に竹CNFのコーティングを繰り返しながら、水をはじき、汚れや油を水で流すだけで落ちるまな板の製作を体験していただきました。
②エマルション製造
竹CNFの両親媒性の特性である水と油の両方になじむことを体験するために、CNFと油を混ぜ、乳化される状態を体験していただきました。
③PPとのナノコンポジット化
PP粒子に竹CNFを吸着させ、PPの融点以下で低温プレスし、3Dハニカム筋が形成される過程を体験していただきました。
参加者からは、「大変参考になった」や「素材特性についてもっと知りたい」といったご意見をいただき、竹ACC-CNFの活用を検討していただく、貴重な機会となりました。
今後もより実践度を高めた講座を企画しておりますので、改めてご案内させていただきます。