7/1は【愛媛大学紙産業イノベーションセンターセンター長/教授 内村浩美】に出演していただきました。
愛媛大学において、製紙技術、紙加工技術、新素材開発および機能紙等の新規製品開発を行うとともに、これらに関する講義を行われています。
紙産業イノベーションセンターでは現在取り組まれている研究の柱は3本です。
○ 製紙スラッジ焼却灰の活用技術に関する研究
○ セルロースナノファイバーに関する研究
○ 紙一枚で血液検査ができる技術(バイオチップ基材)に関する研究
今回は、セルロースナノファイバーについて、また、内村先生が以前勤めていた大蔵省(現財務省)の時に研究されていた、お札についてお話ししました。
以前、国立印刷局開発部として、お札の設計をしていました。
お札には「透かし」のほかに偽札防止のためなど、特徴をいくつか紹介します。
例えば、日本銀行券千円と書かれている面の左下には見る角度によって「1000」と見えたり、「千円」と見えたりします。
この「千円」という技術は内村先生が開発し、特許も持っているそうです。
他に、よく見ると、野口英世という文字(左肩)の上のほうに一本ラインもひかれています。
裏には、角度を変えるとNIPPONと表示されています。
ここでは千円を例にしましたが、5千円札1万円札もぜひ見てみてください。
セルロースナノファイバーについてです。
セルロースナノファイバーの原料は植物繊維です。
つくりかたはいろいろあるのですが、今回ラジオや当日のセミナーに持って来られた実物は
石うすでそば粉を作るようなイメージで、水の中ですりつぶして作成しています。
1粒は目には全く見えないくらい細かくすりつぶしたものです。
また、水をぬいて接触水素結合してくっつけたものは、非常に固いです。
どれくらいの固さかというと、鉄の5倍ほどなのです。
さらに、重さは紙の特性を生かされとても軽いのです。
ラジオ中に切手サイズで厚さは2mmの現物を破こうと、割ろうと試みていましたが、まったく手が出ませんでした。
今後、素材として、ほかの樹脂と混ぜたり、ゴムと混ぜたりして靴の軽量化に使ったり可能性が広がっています。
商品化済みのものとしても、インキが出やすいボールペンがあり、伊勢志摩サミットで世界各国の代表者にプレゼントしました。
素材革命であるセルロースナノファイバーを活用していく未来・「資源がない」と言われ続けている日本が「資源大国になっていく」未来も遠くないのかもしれません。
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